コラム2
自分で身体を動かすセルフメディケーションとしての「機能訓練」
健康な身体を維持し、自分らしい生活を長く続けていくためには、人の手によるケアを受けるだけでなく、自分自身で身体を動かすことも欠かせません。
例えば、歩く、立ち上がる、階段を上るといった何気ない動作も、筋力やバランス能力、身体の使い方によって大きく変わります。
私たちが身体を動かすとき、筋肉だけが働いているわけではありません。脳が動作を計画し、神経を通じて筋肉に指令を送り、実際の動きにつなげています。
例えば、「椅子から立ち上がろう」と意識すると、脳は足や体幹の筋肉に指令を送り、身体のバランスを調整しながら立ち上がる動作を行います。
こうした動作を繰り返すことで、脳と身体の連携が促され、動作の正確性やスムーズさの向上につながります。特に、加齢や病気などによって身体機能が低下した場合には、その人の状態に合わせて身体を動かす経験を積み重ねることが大切です。
さらに、実際に身体を動かすことは、自分の身体の状態を知る機会にもなります。「以前より立ち上がりに時間がかかる」「歩いているとふらつきやすい」といった変化に気づくことが、早めの対策につながる場合もあります。
自分の身体を自分で管理する力を身につける
セルフメディケーションとは、自分自身の健康に関心を持ち、日頃から健康管理に取り組むことです。
これは、単に体調が悪くなったときに対処するだけではありません。日々の生活の中で身体の変化に気づき、自分に合った運動やセルフケアを継続することも、その一つといえます。
例えば、毎日少し歩く時間をつくる、椅子からの立ち上がりを意識する、身体の状態に合わせてストレッチを行うなど、特別な道具を使わなくても始められることはたくさんあります。
もちろん、身体の状態によって適切な運動は異なります。痛みや持病がある場合には、専門家に相談しながら、自分に合った方法を見つけることが大切です。
機能訓練の目的は、単に筋力をつけることだけではありません。自分の力で立つ、歩く、外出するなど、その人が望む生活を続けられる身体づくりを支えることにあります。